内分泌系の機能3
バゾプレッシンとオキシトシン
視床下部の神経細胞でつくられたバゾプレッシンと乳汁射出、子宮収縮を刺激するオキシトシンは、軸索から下垂体後葉で血管中に直接神経分泌される。
バゾプレッシンは、腎集合管における水の再吸収を増加させ、また、末梢血管を収縮させて血圧を上昇させる。分泌は、視床下部の浸透圧受容器、左心房壁の容量受容器により調節される。
甲状腺ホルモン
甲状腺は、ろ胞と呼ばれる球状の袋がびっしり詰まって出来ていて、ろ胞は単層のろ胞上皮細胞の袋で 中にコロイドを含む。※ろ胞上皮細胞が甲状腺ホルモンを分泌する。
甲状腺ホルモンはアミン系ホルモンで、サイログロブリンとヨウ素から産生されるサイロキシン: T4、T3である。低活性のT4は、肝臓、腎臓等で脱ヨウ素化によりT3になり活性化される。
視床下部で神経分泌される甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)は、下垂体前葉を刺激して甲状腺刺激ホルモン(TSH)を分泌させる。TSHは甲状腺を刺激して甲状腺ホルモンを分泌させる。
寒冷では、TSH分泌が増加し、甲状腺ホルモンが出て代謝が上がる。
甲状腺ホルモンは、体蛋白を合成するたんぱく質代謝、グリコーゲンを分解して血糖を上昇させる糖質代謝、 脂質を分解する脂質代謝により酸素消費、熱量産生を増加させる。
甲状腺機能低下症は、クレチン症、粘液水腫、橋本病などで、基礎代謝の低下、脱力感が起きる。
甲状腺機能亢進症は、眼球が突出するバセドウ病があり、発汗、動悸、神経過敏の症状がある。