第21日目。今日から尿の生成と排泄です。
尿の生成と排泄1
腎の機能
- たんぱく質代謝の最終産物である尿素、尿酸、クレアチニンの排泄。
- 糖質、脂質の中間代謝産物の排泄。
- 体内の解毒作用で生じた物質の排泄。
- 体液恒常性の維持。
- レニンの分泌。
- エリスロポエチンの分泌。 ※赤血球の産生を促進
- 活性型ビタミンDの合成。 ※腸管からのCaの吸収を高め、骨の石灰化を促進
尿の生成
ネフロンは、血漿ろ過に関わる腎小体 (糸球体 + ボーマン嚢) と再吸収に関わる尿細管 (近位尿細管 + ヘンレのループ+遠位尿細管)を 1単位としており、左右各約100万個ある。
ろ過されない赤血球やアルブミン等、大きい物質を含んだ細動脈は毛細血管となり、尿細管等を取り巻いて水やグルコース等の大事な物質を再吸収する。
血漿の物質が尿中に出る量は、糸球体ろ液量 ー 尿細管での再吸収量 + 尿細管での分泌量である。
クリアランスは血漿中の物質を尿中へ排泄する腎臓の排泄能力をいい、グルコース等の有用物質では小さい。
血漿流量(RPF)とは、単位時間当たりの腎臓を流れる血漿量で、糸球体でろ過され、再吸収されず、尿細管で分泌されるパラアミノ馬尿酸のクリアランス × 100 / 90 に等しい。※パラアミノ馬尿は血液が腎臓を通過することによりその90%が尿中に排出される
糸球体ろ過量(GFR)とは、ろ過はするが、再吸収も分泌もしない。イヌリンのクリアランス。
糸球体血圧が 46mmHg、血漿の膠質浸透圧が 16mmHg、ボーマン嚢内圧が 約14mmHgとすると、ろ過圧は 16mmHg ※ろ過圧 = 46 – 16 – 14
一定時間に糸球体を流れる血漿の約20%がろ過に回る。そのほとんどがろ過されるが、分子量の大きい血球成分やアルブミンはろ過されない。
Na+ の80%は近位尿細管で、残りはヘンレのループ上行脚、遠位尿細管で再吸収される。
近位尿細管からの血液へのNa+の吸収は、ナトリウムポンプによる能動輸送。
遠位尿細管、集合管での Na+ の再吸収は、副腎皮質が分泌するアルドステロン依存性に増加し、排泄は減少する。
心房性ナトリウム利尿ペプチド (ANP)は、 Na+ 排泄を逆に増加させる。
Na+ が再吸収されると管腔内が負に傾き、その電位勾配で受動的に Cl- も再吸収される。浸透圧で受動的に水も再吸収される。